ポリカーボネート(PC)は、熱溶着・超音波溶着・溶剤溶着のいずれにも対応できる素材です。以下に代表的な方法を紹介します。
熱溶着: 熱板でPCの表面を加熱し、溶かして接合する方法です。PCは融点が高いため、熱板温度は250〜300℃程度が目安となりますが、製品形状や肉厚によって適正値が変わるため、条件出しが必要です。
超音波溶着: 超音波振動による摩擦熱でPCを溶かして接合する方法です。PCは非晶性樹脂で振動が伝わりやすく、超音波溶着との相性が良い素材です。高い接合強度が得られやすい一方、溶融温度が高いため、振幅を大きめに設定できる20kHz帯の装置が選ばれることが多くなります。
溶剤溶着: 塩化メチレンなどの溶剤でPCを溶かして接合する方法です。ただしPCは溶剤に触れるとソルベントクラック(環境応力割れ)を起こしやすいため、成形時の残留応力が大きい部品では注意が必要です。
PCの溶着で特に重要なのが、事前の乾燥管理です。PCは吸湿性があり、水分を含んだまま加熱すると溶着部に気泡やシルバーストリークが発生し、接合強度と外観の両方を損ないます。溶着前に120℃で4時間以上の乾燥を行うことが推奨されます。
また、PCは透明性を活かした部品に使われることが多く、溶着部の外観品質が要求されるケースが少なくありません。バリの発生を抑えるため、エネルギーダイレクターの形状や加圧条件も含めて検討することが重要です。
PCの溶着は、乾燥管理と条件出しを適切に行うことで、強度と外観を両立した接合が可能です。