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技術情報・技術コラム

挿入・組付け工程を自動化するための挿入機についてご紹介!

製造業における挿入組付け工程は、製品の品質と生産効率を左右する極めて重要なプロセスです。特に量産現場では、部品を正確かつ迅速に配置することが求められ、その精度が製品全体の信頼性を決定づけます。しかし、従来は多くの製造現場でこの工程が手作業に依存しており、品質のばらつきや生産速度の限界といった課題が常に存在してきました。クリップ挿入機の導入を検討することでこれらの課題を解決することができます。

手作業による挿入・組付け工程の課題

手作業での挿入組付けには、多くの課題が存在します。

品質のばらつき

作業者の技術や経験に依存するため、品質にばらつきが生じやすい点は多くの手作業ラインである課題です。特に新人作業者や経験の浅い作業者が担当する場合、不適切な挿入が発生しやすくなり、製品全体の信頼性を損なうリスクがあります。

手作業の生産速度

手作業は生産速度をが制限されるため、生産ライン全体の効率が低下してしまう場合がございます。特に量産体制では、少しの遅れが全体のスケジュールに大きな影響を及ぼすため、効率的な作業が求められます。

作業者の身体的負担

クリップ挿入作業は繰り返し動作が多く、作業者の手に負担がかかることで、長時間の作業による疲労や痛みが発生しやすくなります。このような身体的負担は、作業者のモチベーション低下や離職率の増加につながり、結果として生産コストの増大を招く要因となります。

挿入機の導入による課題解決

クリップ挿入機を導入することで、従来の手作業による挿入組付け工程で抱えていた多くの課題を効果的に解決することができます。自動化によって、作業の効率化と品質向上が同時に実現し、製造現場全体のパフォーマンスが大幅に向上します。

作業の一貫性と品質の向上

自動化によって作業の一貫性が確保され、品質のばらつきを大幅に減少させることが可能です。高精度なクリップ挿入機は、部品を正確な位置に配置するための精密な制御を行います。これにより、製品の信頼性が向上し、品質管理が容易になります。手作業では避けられないヒューマンエラーを排除することで、均一な品質を維持し、顧客満足度の向上にも寄与します。

生産速度の向上と効率化

自動化により生産速度が向上し、安定した生産ラインの運用が可能となります。クリップ挿入機は高速かつ正確に作業を行うため、短納期や大量生産にも柔軟に対応できます。これにより、生産ライン全体の効率化が実現し、リードタイムの短縮や生産コストの削減につながります。また、自動化装置は24時間稼働が可能なため、稼働率の向上と生産能力の最大化を図ることができます。

労働環境の改善と生産性の向上

自動化によって作業者の身体的負担が軽減され、労働環境の改善にも寄与します。クリップ挿入作業は繰り返し動作が多く、長時間の手作業による疲労や手の痛みが問題となりますが、自動化装置の導入によりこれらの負担を大幅に減少させることができます。結果として、作業者の健康維持やモチベーションの向上が図られ、離職率の低下や作業効率の向上にもつながります。さらに、作業者はより高度な業務に集中できるようになり、全体の生産性が向上します。

挿入・組付け工程の自動化ポイント

クリップ挿入機による自動化を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

省人化・省力化率の向上

自動化装置を導入する際には、作業者の手作業をどれだけ削減できるか、また作業者の負担をどれだけ軽減できるかを慎重に考慮することが重要です。クリップ挿入機は、高速かつ正確な作業を自動で行うため、人手による挿入作業を大幅に減少させます。これにより、従業員は他の付加価値の高い業務に集中することが可能となり、全体の生産効率が向上します。また、繰り返し作業による疲労や手の痛みといった身体的負担を軽減することで、作業者の健康維持にも寄与します。結果として、人件費の削減とともに、作業環境の改善が実現し、従業員のモチベーション向上にも繋がります。

生産品質の安定化

挿入機を導入する際には、生産品質の安定化が極めて重要です。特に「チョコ停」(製品の品質が一定しない状態)を防止するための仕組みを確立することが求められます。高精度なクリップ挿入機は、一貫した動作精度を持ち、部品の位置決めや挿入の深さを正確にコントロールします。これにより、製品ごとの品質ばらつきを最小限に抑え、全体として高品質な製品を安定して供給することが可能となります。また、自動化装置にはリアルタイムでの品質チェック機能を搭載することができ、不良品の早期検出と対応が可能です。これにより、品質管理の精度が向上し、顧客満足度の向上にも寄与します。

前後工程を加味した設計

挿入組付け工程は、生産ライン全体の一部であり、他の工程との連携が不可欠です。そのため、クリップ挿入機の設計においては、前後工程をしっかりと加味したシステム設計が求められます。具体的には、挿入機が他の機械や装置とスムーズに連携できるように、インターフェースや通信プロトコルを統一することが重要です。また、挿入機の配置やレイアウトも、生産ライン全体の流れを考慮して最適化する必要があります。これにより、部品の移動時間を短縮し、全体の生産スピードを向上させることができます。さらに、柔軟なシステム設計を採用することで、製品の変更やラインの再編成にも迅速に対応できるようになります。これにより、生産ライン全体の効率性と柔軟性が高まり、変動する市場ニーズにも迅速に対応可能となります。

工場省人化・自動化ナビの提供可能な挿入機の特徴

最適な工程を提案

当社の挿入機の特徴は、お客様の工程や投入現場、対象ワークに応じて多関節ロボットや直行ロボットを状況に応じて使い分けた提案が実施できる点です。多関節ロボットは汎用性が高く様々な作業に対応できる反面、高価でコストがかさんでしまいます。

簡単な反復作業は直行ロボットを用いることで、適材適所に機器を選定し、お客様の仕様を満たしながらもコストパフォーマンスの高い挿入機を実現します。

高い生産性の実現

当社の挿入機の特徴は、お客様の要求CTに応じて挿入部の機構を変更して高い生産性を実現できる点にあります。部品が大きい、形状が複雑な場合は1個どりで挿入することが一般的ですが、チャック部分の詰めや機構を工夫して、2個どりなど複数の部品を同時に把持・搬送できる機構のご提案が可能です。

後工程への不良流出を防止

挿入工程の不具合として、挿入ミス・挿入漏れが確認できない、構成部品が足りていない、ショートショットが確認できないなどが考えられます。
当社の挿入機であれば、これらのミスを未然に防ぐために、各ポイントに検査用センサーを設置するなど、対策を行う事で後工程不良流出0の装置を製作することが可能です。

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工場省人化・自動化ナビの挿入機導入事例

工程を考慮したクリップ挿入機導入による省人化

こちらは自動車業界における、クリップ組付け工程に挿入機を導入した事例です。 お問い合わせいただいたお客様はスピーカーパネルやオーナメント、スカッフプレート、フィニッシュパネルなどの自動車部品のクリップ組付け工程において、クリップ・フェルトを4人がかりで貼っていましたが、それの効率化を行いたいとのことでした。 また、成形機からクリップの組付け工程まで製品を運ぶ手間や、別途カメラ検査を行う手間がありました。

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まとめ

製造業における挿入組付け工程の自動化は、品質と生産性の向上において非常に重要です。当社のクリップ挿入機は、従来の手作業に起因する品質のばらつきや生産速度の制約、作業者の身体的負担といった課題を解決し、安定した生産体制を実現します。さらに、リアルタイムでの品質チェック機能を備え、不良品の早期検出と流出防止が可能です。

また、お客様の工程や作業内容に応じた最適な提案を行うことで、コストを抑えつつも効率的な省人化を実現いたします。自動化装置の導入事例も豊富で、自動車部品のクリップ組付け工程での大幅な省人化実績もございます。

ぜひ、当社の自動化・省人化ソリューションで貴社の生産性向上と品質向上をサポートいたします。省人化・自動化でお困りのお客様はぜひ当社までお問い合わせください!