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エアシリンダ・エレシリンダ・ロボシリンダの違いとは?選定のポイントをご紹介!

シリンダーとは

シリンダーは、直線的な動きを生み出すための装置で、主に工業用機械や自動車、家庭用機器などに幅広く使用されています。圧縮空気や電気を利用して動作し、さまざまな機械の部品を正確に動かす役割を果たします。シリンダーの基本的な構造と動作原理を理解することで、用途に応じた適切な選択が可能となります。

シリンダーの種類

シリンダーにはいくつかの種類があり、それぞれの特性や用途によって選び分ける必要があります。ここでは、エアシリンダー、エレシリンダー、ロボシリンダーの三つについて詳しく説明します。

エアシリンダー

エアシリンダーは圧縮空気を利用して動作するシリンダーです。

メリット

① 動作速度が速く、応答性が高い

② 構造がシンプルでメンテナンスが容易

③ 比較的安価、初期投資が低く、ランニングコストも比較的抑えられる

デメリット

① 圧縮空気の供給が必要で、エアコンプレッサーなどの追加装置が必要

② 環境によっては騒音が発生することがある

 

 

エレシリンダー

エレシリンダーは電気で動作するシリンダーです。

メリット

① 精密な制御が可能で、位置決め精度が高い

② 静音で動作し、クリーンな環境でも使用可能

③ エネルギー効率が高い

④ 長期的な運用コストは低い

デメリット

① 初期投資が高め

② 一部の高負荷な作業には不向き

 

ロボシリンダー

ロボシリンダーはエアシリンダーとエレシリンダーの特性を併せ持つシリンダーです。

メリット

① プログラムによる細かな動作制御が可能

② 多様な作業に対応できる汎用性の高さ

③ 労働効率の向上に貢献

デメリット

① 複雑な構造でメンテナンスがやや難しい

② 高度な技術と知識が必要

③ 初期費用と維持費用が高い

 

シリンダーの選定においては、用途や環境に応じた適切な種類を選ぶことが重要です。エアシリンダーはコストパフォーマンスに優れ、エレシリンダーは精密な動作が求められる場面で役立ちます。ロボシリンダーは多様な作業を効率的に行うための最先端技術です。それぞれの特性を理解し、最適なシリンダーを選びましょう。

業界ごとの選定のポイント

シリンダーの選定は、使用する装置や用途によって異なります。以下に、代表的な装置ごとの選定ポイントを示します。

自動車業界

高耐久性と力強いパフォーマンスが必要な自動車製造には、エアシリンダーが理想的です。このシリンダーは重い部品の取り扱いや組み立てラインでの効率的な動作を可能にし、低コストで維持も容易です。

食品業界

衛生基準が厳格な食品処理には、油圧油を使用しないエレシリンダーやロボシリンダーが適しています。これらは清掃が容易で汚染のリスクを最小限に抑えるため、安全で衛生的な生産環境を維持します。

医療機器業界

精密さと高度な制御が求められる医療機器の製造には、ロボシリンダーが最適です。プログラム可能で高い反応性を持つため、微細な調整が可能です。これにより、医療機器の組み立てや操作において、非常に正確で繊細な動きを実現し、品質の高い製品を提供することができます。

 

工場省人化・自動化ナビでの導入事例

最後に、弊社でのシリンダー導入事例をご紹介します。具体的な導入例を通じて、シリンダーの実際の活用方法や効果について理解を深めていただければと思います。どのようにしてシリンダーを選定し、どのようなメリットを享受しているのかを詳しく説明します。

エアシリンダー

単純な2点間の動作

例)マーカーの上下、蓋の開閉など

導入事例:組立機

精度は不要だが、早く動作してほしい場合

例)治具の昇降動作

導入事例:組立機

 

エレシリンダー

加速や減速の調整が必要な場合

例)製品の搬送部分

導入事例:溶着機

圧力での制御が必要な場合

例)部品の引張

導入事例:表皮巻き機

 

ロボシリンダー

停止位置が3か所以上必要な場合

例)治具を交換して複数品番の製品の作業をする装置の軸

導入事例:挿入機

 

最適なシリンダー選定・装置設計は工場省人化自動化ナビにお任せください!

シリンダーの選定においては、用途や環境に応じた適切な種類を選ぶことが重要です。工場省人化自動化ナビはこれまでの豊富な自動化設備導入実績から、お客さまの求める装置にコスト面・機能面で最適な装置を提案してまいりました。「工程を自動化したいが、コストを抑えたい…」「工場に合わせたオーバースペックでない機械を導入したい…」そんなお悩みをお抱えの方はぜひ一度工場省人化自動化ナビにご相談ください!