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技術情報・技術コラム

シリンダーを使った工場自動化装置とは?エア・電動別の選び方と省人化への活用事例

2026.05.24

「シリンダーとは何か」を調べている製造業・工場の設計担当者・生産技術担当者に向け、エアシリンダー・電動シリンダー(ロボシリンダー/エレシリンダー)の仕組みと、それを組み込んだ自動化装置の設計・製作について解説します。株式会社ケーエスジー(工場 省人化・自動化ナビ)では、シリンダーを核動力源とした組立機・溶着機・塗布機など多種多様な自動化装置を特注製作しています。

「シリンダーとは何か」を検索する方の多くは、自動化装置への応用を見据えた技術者や購買担当者です。シリンダー単体の知識にとどまらず、「自社の工程にどう組み込めば省人化できるか」という視点で本記事を構成しました。エアシリンダー・電動シリンダーの選び方から、実際の自動化装置設計のポイント、ケーエスジーの導入事例まで、実務に直結する情報をお届けします。

目次

  • 1. シリンダーとは?自動化装置における役割
  • 2. エアシリンダー vs 電動シリンダー:自動化用途での選び方
  • 3. シリンダーを使った自動化装置の工程別活用事例
  • 4. 自動化装置設計で失敗しないためのシリンダー選定ポイント
  • 5. 【導入事例】シリンダー組込み自動化装置によって省人化を実現
  • 6. シリンダーを活用した自動化装置の設計・製作はケーエスジーへ

1. シリンダーとは?自動化装置における役割

シリンダーとは、流体(空気・油・電力)のエネルギーを直線運動(往復動作)に変換する機械要素です。製造現場における自動化装置では、ワーク(加工対象物)の「押す・引く・クランプする・昇降させる」という直線動作のほぼすべてをシリンダーが担います。

自動化装置の観点から整理すると、シリンダーは次の3つの役割を果たします。

  • アクチュエータ:電気信号(PLC・シーケンサ)を受けて実際の機械動作を生み出す
  • 位置決め機構:ストロークエンドや中間停止ポイントへ正確にワークを送る
  • 加圧・保持機構:溶着・圧入・加圧接合などで一定の力をワークにかけ続ける

💡 ポイント:自動化装置の「動き」の大半はシリンダーが起点です。どの種類のシリンダーを選ぶかが、装置の精度・コスト・メンテナンス性を大きく左右します。

2. エアシリンダー vs 電動シリンダー:自動化用途での選び方

シリンダーは動力源によって大きく「エアシリンダー(空気圧)」と「電動シリンダー(モーター駆動)」に分かれます。自動化装置の設計では、工程要件に合わせた適切な選択が省人化の成否を決めます。

シリンダー種別特徴自動化向き用途採用頻度
エアシリンダー低コスト・高速動作・メンテ簡単プレス・押し出し・クランプ工程◎ 最多
ロボシリンダー(電動)位置決め精度が高い・速度制御自在多点停止・精密組立・治具押さえ○ 中
エレシリンダー(電動)IAI製。高精度・力制御対応溶着・加圧・嵌め込み工程○ 中
油圧シリンダー大推力・重量物対応プレス・曲げ・鍛造ライン△ 限定的

エアシリンダーが向いている工程

工場のコンプレッサー設備が整っている場合、エアシリンダーは圧倒的なコストパフォーマンスを発揮します。ワークの押し出し・排出・クランプ・簡易プレスなど、位置制御より力・速度を優先する工程に最適です。ケーエスジーが手掛ける組立機・ねじ締め機・挿入機の多くでもエアシリンダーを主要アクチュエータとして採用しています。

電動シリンダー(ロボシリンダー/エレシリンダー)が向いている工程

IAI社のロボシリンダー・エレシリンダーに代表される電動シリンダーは、任意の中間位置への高精度停止、速度プロファイルの細かい制御、推力のリアルタイムモニタリングが可能です。多品番対応が必要な組立工程や、加圧力の管理が品質に直結する溶着・圧入工程に適しています。

エアシリンダーとの使い分けに迷ったら:「位置決め精度が±0.5mm以上必要か」「推力のデータを記録・管理する必要があるか」の2点を確認してください。いずれかYESなら電動シリンダーの検討を推奨します。

3. シリンダーを使った自動化装置の工程別活用事例

ケーエスジーが設計・製作する自動化装置では、以下の工程でシリンダーを核として採用しています。

工程装置例シリンダー役割KSG対応実績
組立・クランプバッテリーホース組立機ワーク固定・押し込み
溶着(超音波)超音波溶着機ホーン加圧・昇降
ねじ締め自動ねじ締め機ドライバーユニット昇降
塗布グリス・プライマー塗布機ノズル位置決め・押さえ
挿入・嵌め込みクリップ挿入機部品押し込み・加圧
検査・排出出荷検査装置ワーク押さえ・仕分け動作

代表的な装置構成:エアシリンダーによる多軸搬送ユニット

組立ラインで最も多いのが、複数のエアシリンダーを組み合わせた「多軸搬送・位置決めユニット」です。X軸・Z軸方向にシリンダーを配置し、PLC(シーケンサ)のタイムチャートに従ってワークをピックアップ→搬送→クランプ→組付け→排出という一連の動作を全自動化します。

高精度工程への対応:電動シリンダー+力センサー統合

溶着・加圧・圧入工程では、エレシリンダー(IAI製)に力センサーを組み合わせ、「押し込み量(mm)」と「加圧力(N)」を同時にモニタリングする構成をご提案しています。品質データとしてPLCに記録し、規格外品をリアルタイムに自動判定・排出することで、全数検査と省人化を同時に実現します。

4. 自動化装置設計で失敗しないためのシリンダー選定ポイント

装置設計の初期段階で見落とされがちな重要チェック項目を整理します。

チェック1:必要推力の計算(安全率を含む)

エアシリンダーの理論推力は「シリンダー径²×π÷4×使用圧力」で求まりますが、実際には摩擦・背圧・ワーク質量を加味し、理論値の70〜80%で設計することが鉄則です。「動かないトラブル」の原因の多くはシリンダー径の選定不足です。

チェック2:スピードコントローラーとクッション設定

エアシリンダーの速度制御は後付けのスピードコントローラー(絞り弁)で行います。ストロークエンドでのショックを防ぐために内蔵クッション付きシリンダーを選ぶか、外付けショックアブソーバーを追加設置する設計が重要です。高速・高頻度サイクルではシリンダーの寿命に直結します。

チェック3:電動シリンダーのプログラム対応

ロボシリンダー・エレシリンダーは専用コントローラーとプログラム設定が必要です。多品番切替時のティーチングデータ管理や、上位システム(PLC・ロボットコントローラー)との通信方式(CC-Link・EtherNet/IP等)の設計段階での決定が、立上げ工数を大きく左右します。

チェック4:環境対応(防塵・防滴・クリーンルーム)

グリス塗布装置や洗浄ライン周辺では、シリンダーへの油・水のかかりを想定した防塵・防滴仕様(IP65以上)の選定が必要です。クリーンルーム向けには無給油・ノンルーブタイプを選定します。

5. 【導入事例】シリンダー組込み自動化装置によって省人化を実現

事例①:バッテリーホース自動組立機(自動車業界)

複数のエアシリンダーによる多軸ピック&プレース機構と電動シリンダーによる嵌め込み加圧ユニットを組み合わせ、バッテリーホースの組立工程を3名→1名、作業時間20h→5hに削減した事例です。加圧力をリアルタイム記録し品質トレーサビリティも確保しました。

► 詳しい事例はこちら:3人⇒1人、20h⇒5hの省人化・効率化を実現!自動組み立て装置の導入事例

事例②:超音波溶着機の省人化(自動車部品:サイドパネル/コンソールUPR)

エレシリンダーによるホーン加圧・昇降機構を採用し、溶着工程の加圧力と沈み込み量をデータ管理。従来の手作業による品質ばらつきを解消し、作業者の肘への負担も排除しました。

► 詳しい事例はこちら:特注超音波溶着機導入による省人化

事例③:グリス塗布自動化装置

エアシリンダーによるノズル位置決めと定量吐出バルブを組み合わせ、グリス塗布工程の全自動化を実現。塗布量のばらつきをゼロにし、1人工削減と材料費削減を同時に達成しました。

6. シリンダーを活用した自動化装置の設計・製作はケーエスジーへ

株式会社ケーエスジー(工場 省人化・自動化ナビ)は、愛知県一宮市を拠点に、エアシリンダー・電動シリンダーを組み込んだ特注自動化装置の設計・製作・据付・保守まで一貫対応しています。

ケーエスジーが選ばれる4つの理由

  • 構想段階からの技術相談対応:「どのシリンダーが最適か」という初期検討から伴走
  • 多工程統合の実績:搬送・組立・溶着・検査を1ユニット化し仕掛品ゼロを実現
  • 自動車業界を中心とした豊富な導入実績:品質・コスト・タクトへの厳しい要求に対応
  • 全国保守メンテナンス対応:納品後も安心のアフターサポート体制

■ こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください・ 自社工程にどのシリンダーを使えば自動化できるか判断できない・ エアシリンダーで試作したが精度が足りず電動シリンダーへの切替を検討している・ シリンダーを組み込んだ特注装置を設計・製作してほしい・ 既存装置のシリンダー交換・改造・修理をしてほしい

▶ お問い合わせ・ご相談はこちら:https://kojo-automation-navi.com/contact/

▶ 技術資料ダウンロードはこちら:https://kojo-automation-navi.com/download

まとめ

シリンダーは工場自動化装置の「心臓部」とも言える機械要素です。エアシリンダーか電動シリンダーかの選択は、装置の精度・コスト・品質管理レベルを直接決定します。「シリンダーとは」という基礎知識から、自社工程への応用検討まで、ケーエスジーが一貫してサポートいたします。まずは現状の工程課題をお聞かせください。最適な自動化装置をご提案します。